バードマン あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡

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賛否両論激しい映画だけど、今まで観たことない映画を観てるワクワク感がすごくて私は面白かった。隣で観てる母はぽかーん...でしたが。
どちらにもとれるラストシーン、私は彼女の表情から彼は勝ったのだと思った。同時に“こんなことのために、馬鹿だろ?”そんな監督のつぶやきも同時に聞こえた気がした。
終始アメコミヒーロー映画やSNS、そのひとふでで作品への世間の評価も決めてしまう評論家たち、そしてそれにふりまわされる役者たちへの皮肉に満ちていて、過去のイニャリトゥ監督作品よりもきっついユーモアも効いていて。
特にエドワード・ノートンの出てくるシーンでは何度か声をあげて笑ってしまいました。主演のマイケル・キートンもそうだけれど、「ハルク」を一作で降板した彼がこの作品に出てるのがもうそれ事態がユーモアのかたまりのような気もしてきちゃって笑
それにしても今年はドラムの当たり年ですね、と打った時点でおまえは何を言っているんだ。と自分に突っ込んでしまいましたが、「セッション」の血のドラム、「マッドマックス」の俺たちドラム叩き隊、そしてこの作品の主人公の心臓の鳴り具合を表すような現れては消えるドラマーの鳴らすそのドラムの音には、とても高揚感を覚えました。
好き嫌いは別れるとは思いますが、おもいきり想像力の翼を広げて飛び込んでみると、新しい映画体験をすることができる作品だと思います。
与えられたものだけをただ受けとる、そんな風にこころを閉じずに想像力をフルにして。たのしんでみてください。