恋人たち

f:id:Ave-Materia91311:20160112041712j:plain

今年の映画初めは橋口亮輔監督のこの作品から。
前作「ぐるりのこと」が素晴らしいけれどとても心えぐられる作品で、ちょっとこわごわ観にいったのですが。
とてもやさしい作品だと思いました。
エンドロール、監督の名前も出た後に現れたあのワンシーンのとてもささやかだけどおおきなうれしさ、 あげることができるのも人で、そんな人を見つけたなら全力ですがりたいし信じられる人になりたい、と思いました。
あの、片腕の先輩のような人。
つらい状況下にあるほど死の誘惑は強くなるし誰にもわかるわけがない/わかってくれない、と人から遠ざかりたくなるけどやっぱり人を、あきらめたくない。彼を見ていてそう思った。
あんな人になりたい。とも。
そんな映画を作ってくれる橋口監督のような人がいてくれてよかった。
いろいろあってこの数年は思ったように映画が作れなかったようだけど、監督の作品をこれからもっともっと見てみたいと思いました。
アツシのどんよりと暗いけれど鋭さのあるまなざしが印象的で、街の恋人たちの光景を語るシーンがずっとずっと、脳裏から剥がれてくれない。
人間をうつくしいと思える、そんな瞬間がその姿にはありました。