しあわせはどこにある

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タイトル通り、しあわせとは何かを調べる旅に出る精神科医のお話。
主人公ヘクターは中国、チベット、アフリカ、ロサンゼルスを旅するんだけど、特にチベットの山の中、色とりどりの布地が空を泳ぐシーンが印象的で。
後半に登場するヘクター自身の中にある“色”たちとそのシーンがシンクロすることで、彼の中に“しあわせ”はすでにあったのだと気づかされる。
足りなかったのは、それに気づくこと。
旅に出ることで彼は愛する人や精神科医としての日常と離れ、そこでは会うはずのなかった人々と出会い、一晩の恋を知り、命の危機に遇い、命を救い、ずるずるとひきずり続けていた過去(の、現在)と向き合うことでいちばん大切なものがなんだったのか、その気持ちを取り戻してゆく。
ヘクターが恋人クララにもらったノートの中にはキュートなイラストと旅の中から教わった“しあわせとは”がいっぱい。
個人的に特に心に響いてきたのは“話を聞くことは愛を示すこと”。
聞くことで相手が心をぐんぐん開いてくれることに気づいてから、なるべくそれを実践するように心がけていて。この言葉を聞いたときにマジックのタネがわかったような嬉しい気分になりました。
そんな風に、自分にとってのしあわせとは?に気づくヒントがたくさんつまっている作品だと思います。