パレードへようこそ

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だいすき!
以外もう何にも言いたくないくらい、好き!!!
観てしばらくたった今も頭の中、「bread&roses」のあの旋律が鳴りやまない。
市井の人たちが立ち上がり、奪われてしまった尊厳を取り戻すため声を合わせ唄う闘いのうたは、どんなに上手な歌手のそれよりも力強く、美しく、胸をうつ。
レ・ミゼラブル」 の「民衆の歌」が思わず頭をよぎる、名シーンだと思う。
LGSMのリーダー、マーク役の彼は目がきらきらしていて、あぁ、こんな男の子ならきっとそうするだろう。と。あの目にはとても説得力がありました。
村にやってきたそんなゲイ・レズビアンの集団に偏見を露にする村の若者を「あんたがそんなモテるわけないでしょ!」と一蹴する炭鉱のおっかさん、ヘフィーナも最高。
彼らだけでなく、丁寧に掘り下げられた人物描写は思わずひとりひとりをハグしたくなる程、魅力的でした。
この映画では悪役になっている彼女、彼らにもそうならざるを得ない事情、貫いてきた生き方がある。そこをきちんと描いているからこそ、偏見や恐怖を越えていく勇気との強さや美しさが際立ったのだと思います。(まぁあんまり同情は出来ないくらいにやりくちはとても下衆くて汚いんですけどね...。)
そして一度は挫けてしまった心を救い上げるやさしさもこの映画には隠されていて。そのストーリーテリングの巧みさにラストシーン、思わずにやにやしながら泣いてちゃいました。
「pride」はストレートで力強い、もちろん良いタイトル。だけどこの原題のままだと日本ではこの映画のたのしさがちょっと見えにくいかもしれない。
「パレードへようこそ」もゲイもストレートも炭鉱夫もそうじゃないひとも偏見がある人もそんなのどうでもいいよって人もみんなこの映画の世界へいらっしゃいよ!って手を差しのべるよな、名付け主のそんな思いが見える、この映画の賑やかさが伝わるいいタイトルだなぁって。
そんなこと思いながら帰路へと着きましたとさ。