はじまりのうた

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一度目は'あの「ONECE」の監督さんの新作だし!'って感じで期待する気持ちが富士山より高すぎたのか、二度目の観賞ほうがすぅっとこころに響いてきた。
特に、音楽の在り方について頑なだった主人公・グレタのこころがゆっくりとほどけていくその過程、自分の唄に人々が耳をかたむける姿に静かにこぼれる涙のうつくしさにグッときた。

「BEGIN AGAIN」って原題が、見終わったあとにことさら響く。
もういちど。
地下鉄に飛び込んで死んじゃいたい気分から、もういちど。
これは、いろんなことに傷ついては足踏みばかりの私たちの背中をとん、と押してくれる物語。

唄を聴く行為は、その曲を作ったひととの対話のよう。あなたがその歌を作ったときの心情と私の今のこの心境が共鳴して、からだじゅうに響き渡る。
そんな運命をかえるうたとの出会いを描いたあの導入部からして、そんなうたをこころに持っているひとならきっと誰でも「わかる!」と呟いてしまうんじゃないかな。音楽が好きなひとには、絶対に一度は観てほしいな。
「わかる!」もいっぱいあるし「そうなんだ!」の発見もたのしい。

そして私は今、「LOST STARS」が唄えるようになりたくてしかたない。
英語も唄もすごい苦手だけど...カラオケで唄えるようになりたい!
キーラの決して声を張らない、可憐で儚い歌声がかわいすぎる。

かわいすぎるといえば 、そのファッションも。お姫さまなキーラもとても素敵だけど、古着みたいな飾り気のないワンピース姿のキーラがほんとうにかわいかった。
表情がゆたかで、それだけでこちらを魅了してしまう稀有な女優さん。「イミテーション・ゲーム」でその演技にはっとして、今ではすっかりファンです。